① 扇沢-柏原新道ルート
① 扇沢-柏原新道ルート
鹿島槍ヶ岳登山ルートで最も早く山頂に立つことができるコース
●登山データ
日程:1泊2日
歩行時間:16時間35分(登り:9時間05分、下り:7時間30分)
歩行距離:24㎞
高低差:460m
Route Guide
冷池山荘に宿泊して1泊2日で歩く設定ですが、歩行時間が長いので初日を種池山荘、2日目を冷池山荘に宿泊して2泊3日で歩くと精神的にも肉体的にも楽になるはずです。スタート地点は、立山の玄関口でもある扇沢。ここからわずかに車道を戻って登山道に入ります。この道は柏原新道という道。勾配の強い箇所もありますが、安心して歩くことのできる登山道です。高度が上がると左に針ノ木岳から延びる稜線が見えてきます。迫力のある山岳風景です。
ケルンを過ぎると勾配はさらに増してきます。立ち休みを繰り返しながら着実に歩くことだけを考えましょう。ガラ場に差し掛かります。右側斜面から石が落ちることもありますので、前の人との間隔を取って静かに通り過ぎましょう。ここをクリアするとわずかな時間で種池山荘に到着します。ここで鹿島槍ヶ岳に向かう尾根道に乗ったことになります。また、この稜線が長野県と富山県の県境になります。爺ヶ岳に向かって左が富山県、右が長野県になります。この県境の尾根道は鹿島槍ヶ岳山頂まで続きます。
種池山荘で休憩したら先に進みましょう。ハイマツ帯を抜けると立山連峰はもとより槍ヶ岳や穂高連峰が見えてきます。左前方には大きく裾を広げた鹿島槍ヶ岳が全望できるようになります。鞍部に建つ冷池山荘も見えています。爺ヶ岳には南峰、中峰、北峰があります。ここの三角点は中央峰にあります。南峰と中央峰は山頂を経由しますが、北峰は巻いて進みます。北峰を巻いていくと少しずつ下りになります。赤岩尾根との合流地点が冷乗越です。冷乗越からハイマツの中をジグザグに下ります。すぐに冷池山荘に到着。テントサイトは小屋の一段上にあります。
翌日は早朝から山頂を目指します。8月中旬まで雪渓が残る場所やお花畑があり、歩いていて楽しいはずです。やがてハイマツに囲まれたピークに着きます。ここが布引山です。ひと休みしたら出発しましょう。勾配が強くなってきますので、立ち休みを繰り返しながらクリアしましょう。さらに勾配が強くなると鹿島槍ヶ岳南峰に到着します。ここに三角点が設置されています。後立山連峰で最も標高の高い頂です。立山、穂高連峰の展望に優れています。ここからヤセた尾根を軽くアップダウンして北峰をピストンしましょう。北峰からは五竜岳とそこに向かう男性的な岩尾根が延びています。展望を楽しんだら、往路を忠実に辿って扇沢に戻りましょう。